エアドロップとは?無料で仮想通貨がもらえる仕組みや注意点を初心者向けに解説

はじめての暗号資産

「エアドロ」「エアドロップ」って聞いたことありますか?
iPhoneで写真を送る、あのAirDropではありません。

暗号資産にも「エアドロップ」と呼ばれるものがあり、プロジェクトからユーザーへ暗号資産(トークン)が配られる仕組みです。
過去には、もらったトークンに大きな価値がついたケースもあり、「無料で仮想通貨がもらえる」と注目されてきました。

ただ、最近のエアドロ事情は少し変わってきています。
個人的には、エアドロそのものが終わったというより、「エアドロだけを目的にユーザーを集めるモデル」が限界に近づいていると感じています。

今回は、エアドロップの基本から、最近のエアドロ事情まで初心者向けに解説します!

エアドロップとは?

暗号資産プロジェクトがユーザーのウォレットへトークンを配布するエアドロップの仕組みの図解
暗号資産プロジェクトがユーザーのウォレットへトークンを配布するエアドロップの仕組みの図解

エアドロップ(Airdrop)とは、暗号資産プロジェクトがユーザーなどにトークンを配布することです。

「Airdrop」には、もともと航空機などから物資を投下するという意味があります。
そこから転じて、暗号資産の世界では、ユーザーのウォレットなどへトークンを配布することを「エアドロップ」と呼びます。

たとえば、あるサービスを以前から利用していたユーザーに対して、新しく発行したトークンを配るようなケースです。
ただし、誰でも無条件でもらえるとは限りません。
過去のサービス利用状況や暗号資産の保有状況など、プロジェクトごとに条件が設定される場合があります。

そのため「無料で仮想通貨がもらえるイベント」というより、「プロジェクトに関わったユーザーなどへトークンを配る仕組み」と考えるとわかりやすいでしょう。

サトシ(偽)
サトシ(偽)

iPhoneのAirDropは写真が届きますが、こっちはトークンが届きます。知らない人から届いたら、どっちも少し警戒しましょう

なぜ無料で暗号資産を配るの?

プロジェクト側がユーザー獲得と定着のための投資としてトークンを無料配布する目的の図解
プロジェクト側がユーザー獲得と定着のための投資としてトークンを無料配布する目的の図解

「価値のあるトークンなら、無料で配らずに売ればいいのでは?」と思いますよね。

エアドロップは、プロジェクト側にとってもユーザーを増やしたり、サービスを使ってもらったりするための施策です。

たとえば、
・新しいサービスを知ってもらう
・実際にサービスを使ってもらう
・初期ユーザーに還元する
・コミュニティを活性化する
・配布後もサービスを利用してもらう
といった目的が考えられます。

新しいDEX(分散型取引所)を作ったとしても、利用者がほとんどいなければ取引は活発になりません。
そこで初期ユーザーなどにトークンを配ることで、サービスを利用するきっかけを作るわけです。

DEX(分散型取引所)とは?こちらで解説しています👇

DEXとCEXの違いとは?仕組みを初心者向けに解説

つまりエアドロップは、ユーザーからすると「もらえるもの」ですが、プロジェクト側から見るとユーザー獲得や定着のための投資という側面があります。
この「配る側にも目的がある」という点は、後半の話でも重要になってきます。

エアドロの主な種類ともらい方

持っていたらもらえるタイプと使っていたらもらえるタイプ、代表的な参加方法を示した図解
持っていたらもらえるタイプと使っていたらもらえるタイプ、代表的な参加方法を示した図解

ひとことでエアドロップといっても、条件はさまざまですが、大きく「持っていたらもらえる」タイプと「使っていたらもらえる」タイプに分けると理解しやすいです。

「持っていたらもらえる」タイプは、特定の暗号資産やNFTを保有している人を対象にする方法です。
「使っていたらもらえる」タイプは、過去にDEXを利用した人、ブリッジを利用した人、テスト版のサービスを利用した人など、実際にプロジェクトへ関わったユーザーを対象にします。

具体的な参加方法としては、
・DEXで暗号資産を交換する
・ウォレットを利用する
・ブリッジで暗号資産を移動する
・暗号資産を預ける
・テストネットを利用する
・特定の暗号資産やNFTを保有する
・一定期間サービスを利用する
といったものがあります。

最近では、サービスを利用すると「ポイント」が貯まり、そのポイント数などに応じて将来のエアドロップが期待される仕組みも見られます。
エアドロップを狙って早い段階からプロジェクトを利用することは、「エアドロファーミング」などと呼ばれることもあります。

ここで初心者が覚えておきたいのが、サービスを使ったからといって、必ずエアドロップがもらえるわけではないということです。
ポイント制度があっても、最終的なトークン配布の有無や条件が確定していない場合もあります。

サトシ(偽)
サトシ(偽)

ポイントを見ると「未来のお金」に見えてくることがありますが、まだポイントです

エアドロ用のウォレットを準備するなら、シードの管理をアプリで手軽にできる「HashPort Wallet」も選択肢の一つです👇

エアドロップで本当に稼げる?

もらったトークンの金額から手数料やガス代などのコストを差し引いて損得を考える図解
もらったトークンの金額から手数料やガス代などのコストを差し引いて損得を考える図解

エアドロップで利益を得られる可能性はあります。
過去には、早い段階からサービスを利用していたユーザーなどへトークンが配られ、その後トークン価格が上昇したケースもありました。これが「エアドロで稼げる」と注目されるようになった理由のひとつです。

ただ、ここで少し冷静に考えておきたいことがあります。
エアドロップは「無料」というイメージが強いものの、実際に狙うとなると完全無料とは限りません。

DEXを利用すれば取引手数料がかかることがありますし、ブロックチェーン上で操作すればガス代が必要になる場合があります。
取引による損失やスプレッドが発生することもありますし、何カ月もサービスを利用するなら、時間も使っています。

つまり「エアドロでもらった金額-参加するために使ったお金や手数料」まで考えて、初めて本当の損得が見えてきます。
「20万円相当のエアドロをもらった!」だけを見るのではなく、「そのためにいくら使った?」まで見る必要があるわけです。

サトシ(偽)
サトシ(偽)

無料でもらうために大量のお金を使い始めたら、一度電卓を出しましょう

昔のエアドロップはなぜ「おいしかった」の?

参加者数が増えるほど同じ配布総額でも1人あたりの取り分が減っていく仕組みの図解
参加者数が増えるほど同じ配布総額でも1人あたりの取り分が減っていく仕組みの図解

エアドロについて調べていると、「昔のエアドロはおいしかった」という話を聞くことがあります。
もちろんすべてのエアドロップで大きな利益が出たわけではありません。

それでも昔のエアドロが魅力的だった理由のひとつが、現在ほどエアドロ狙いの参加者が多くなかったことです。

かなり単純化して考えてみましょう。
あるプロジェクトが、ユーザーに1億円相当のトークンを配るとします。
参加者が1,000人なら、単純平均で1人10万円相当。参加者が10万人になれば、同じ総額なら単純平均で1人1,000円相当です。

実際には利用量などによって配布量が変わるため、こんな均等配布にはなりません。
それでも、同じパイを狙う人が増えれば、競争が激しくなるという考え方は同じです。

大型エアドロが話題になる。それを見た人が「次は自分も」と参入する。さらにエアドロ専門で活動するユーザーも増える。
そうなればプロジェクト側も、配布条件を厳しくしたり、不自然な複数アカウントを排除したりするようになります。

エアドロが有名になった結果、エアドロを狙う難易度も上がった。なんとも皮肉な話です。

エアドロ狙いのユーザーが増えて何が変わった?

トークン配布後に利用者が離脱してしまうプロジェクト側とユーザー側の目的のズレを示す図解
トークン配布後に利用者が離脱してしまうプロジェクト側とユーザー側の目的のズレを示す図解

ここからが、現在のエアドロップを考えるうえで面白いところです。

本来、プロジェクト側にとって理想的なのは、「サービスを使ってもらう→トークンを配る→ユーザーが残る→サービスが成長する」という流れでしょう。

ところが、エアドロップ自体が「稼ぐ手段」として広く知られるようになると、ユーザーの行動も変わります。
「エアドロのためにサービスを使う→トークンをもらう→売却する→次のエアドロへ」という行動も、ユーザー側からすればひとつの合理的な選択です。

もらったトークンを売ることが悪いわけでもありません。
ただ、プロジェクト側から見ると話が変わります。
せっかく大量のトークンを配ってユーザーを獲得したのに、配布が終わった途端に利用者までいなくなったら、「これだけ配ってユーザーを集める意味、ある?」となります。
高額なキャンペーンでお客さんを集めたのに、キャンペーン終了と同時に誰も来なくなるようなものです。

エアドロを配る側と、エアドロを狙う側。
この両者の目的が少しずつズレてきたことが、現在のエアドロ事情を考えるうえで重要なポイントだと思います。
どちらかが悪いという話ではなく、それぞれの合理性がすれ違い始めている、という方が近いでしょう。

「ポイントを貯めればエアドロ」は本当にお得?

最近よく見かけるのが、サービスを利用するとポイントが貯まる仕組みです。
「取引する→ポイント獲得→ランキング上昇→将来のトークン配布に期待」といった流れです。

ゲーム感覚で参加できる一方、「そのポイントを獲得するために、いくら使っているのか」は考えておきたいところです。

たとえば、取引手数料やガス代などで合計5万円を使い、最終的に10万円相当のエアドロを獲得したとします。
結果だけ見ればプラスです。
しかし実際には、「5万円+時間+価格変動などのリスクを負って、10万円相当を狙った」とも考えられます。

さらに、トークンが予定通り発行されるとは限りません。
暗号資産では、トークンが発行されるイベントをTGE(Token Generation Event)と呼びます。TGEが延期されたり、期待していた条件でトークンが配られなかったりする可能性もあります。

そう考えると、エアドロップも立派な「期待値を考えるゲーム」です。
「いくらもらえそう?」だけでなく、「いくら使って、どれくらいのリスクを取っている?」までセットで考えた方がよいでしょう。

エアドロだけでユーザーを集めるモデルは限界?

ポイント獲得にかけた手数料や資金・時間・リスクとリターンを比べる期待値の考え方の図解
ポイント獲得にかけた手数料や資金・時間・リスクとリターンを比べる期待値の考え方の図解

個人的に、今のエアドロ事情を見るときに一番気になるのがここです。

「エアドロが1円もなくても、そのサービスを使いたいか?」という質問をすると、プロジェクトそのものの価値が見えやすくなります。

たとえばDEXなら、「使いやすい」「手数料が安い」「流動性が高い」「取扱銘柄が魅力的」「他にはない機能がある」など、エアドロとは関係なく利用する理由があるサービスもあります。
一方で、「ポイント○倍!」「将来のエアドロに期待!」という話ばかりで、肝心のサービスを使う理由がよくわからないプロジェクトもあります。

もちろん、エアドロでユーザーを集めること自体が悪いわけではありません。
新しいサービスを知ってもらう「入口」としては、今後も有効な方法になり得ます。
問題は、入口の先に何があるのかです。

エアドロをきっかけに来たユーザーが「このサービス、普通に便利じゃん」となって残れば、エアドロはユーザー獲得のための投資として機能します。
反対に、「エアドロ終了→トークン売却→ユーザー離脱」となれば、配った側にはほとんど何も残りません。

だから個人的には、「エアドロの時代が終わった」とまでは思いません。
むしろ、「エアドロだけを目的にユーザーを集め、トークンを配ればサービスが成長する」というモデルが限界に近づいていると考える方がしっくりきます。
これからは「どれだけトークンを配るか」以上に、配り終わったあとも使われるサービスを作れるかが重要になってくるのではないでしょうか。

サトシ(偽)
サトシ(偽)

エアドロが「入口」から「居着く理由」に変わるかどうかは、結局サービスの中身次第なんですよね

エアドロップ詐欺にも注意

エアドロが1円もなくてもそのサービスを使いたいかという評価軸を示す図解
エアドロが1円もなくてもそのサービスを使いたいかという評価軸を示す図解

エアドロップを利用するときは、収益性だけでなくセキュリティにも注意が必要です。
特に気をつけたいのが、偽エアドロップです。

SNSなどで「○○トークンのエアドロ開始!」「今すぐClaim(受け取り)してください」などと宣伝し、偽サイトへ誘導する詐欺があります。
そこでウォレットを接続し、悪意のある操作を承認してしまうと、ウォレット内の暗号資産を失う可能性があります。

また、シードフレーズや秘密鍵を入力させようとするサイトには特に注意が必要です。

エアドロップには「もしかしたら無料でもらえるかも」という強い誘惑があります。
だからこそ、普段ならクリックしないようなリンクでも押したくなります。
エアドロップに参加するときは、公式サイトや公式SNSなどから情報を確認し、初めて利用するサービスでは大きな資金を入れないなど慎重に利用しましょう。

サトシ(偽)
サトシ(偽)

「今すぐ受け取らないと損!」と言われたときほど、クリックする前に一回疑いましょう

まとめ

エアドロップとは、暗号資産プロジェクトがユーザーなどへトークンを配布する仕組みです。

初心者のうちは「無料で仮想通貨がもらえるもの」というイメージでも大きくは外れていませんが、実際にはもう少し奥があります。

・エアドロップは、ユーザーへの還元やサービスの利用促進などを目的に行われる
・特定の暗号資産を保有していた人や、サービスを利用した人などが対象になる場合がある
・最近ではポイントを貯め、将来のトークン配布を狙う仕組みもある
・エアドロを狙うために手数料やガス代などのコストがかかる場合がある
・参加者が増えたことで、以前より競争が激しくなっている
・トークンをもらえることや、その価値が上がることが保証されているわけではない
・偽エアドロやフィッシングサイトにも注意が必要

そして、現在のエアドロップを見るうえで、個人的にはこの質問が結構使えると思っています。
「エアドロが1円もなくても、このサービスを使いたいか?」

YESなら、そこにはエアドロ以外の魅力があります。
NOなら、ユーザーが欲しいのはサービスではなく、配られるトークンなのかもしれません。

エアドロップ自体は、これからも新しいサービスを知ってもらったり、初期ユーザーへ還元したりする手段として使われていくでしょう。
ただ、エアドロだけで人を集め、トークンを配れば成長するという時代は、少しずつ難しくなっているように感じます。

ユーザー側も「次はいくらもらえる?」だけではなく、何に時間とお金を使っているのかを見ることが大切です。
エアドロがなくなったというより、エアドロを見る目が必要になった。今は、そんなフェーズなのかもしれません。

サトシ(偽)
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タダより高いものはない。暗号資産では、そこにガス代まで乗ってくることがあります

エアドロを狙うにも、まずは暗号資産を保有しておく必要があります。これから始める方はこちらもチェックしてみてください👇

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