「ステーブルコインって海外のものでしょ?」
そう思っている方に、今日は日本発のステーブルコインが熱くなっているという話をします。

以前から日本の円建てステーブルコインは注目されていましたが、2025〜2026年でついに現実になってきました
日本の円建てステーブルコインとは?
USDTやUSDCが米ドルに連動するように、日本円に1:1で連動するステーブルコインが続々と登場しています。
1JPYC = 1円
1JPYSC = 1円
海外送金や決済にドル建てステーブルコインを使う場合、為替リスクがありました。円建てステーブルコインなら為替リスクなしに、ブロックチェーンの利便性を活用できます。

円のまま、世界中に瞬時に送れる
これが円建てステーブルコインの最大のメリットです
そもそも円建てステーブルコインのメリットって何?
「結局、何がいいの?」という方のために端的にまとめます。

① 処理速度が速い
銀行振込は翌営業日〜数日かかるが
ステーブルコインは最短1秒で完了
② 手数料がほぼゼロ
銀行の国際送金は数百〜数千円かかるが
JPYCは1円以下で送金できる
③ 24時間365日使える
銀行は営業時間外・祝日は使えないが
ステーブルコインはいつでも送れる
④ 為替リスクなし
USDTなどドル建てと違い
円建てなので円のまま使える

銀行より速くて安くて便利
これがステーブルコインが注目される一番の理由です
ステーブルコインの基本的な仕組みについては以下の記事で詳しく解説しています。
JPYC(ジェイピーワイシー):日本初の電子決済手段型ステーブルコイン
JPYCは1円=1JPYCの日本円ステーブルコインで、世界中にいつでも、だれとでも、いくらでも送金が可能です。
JPYC株式会社が発行する日本初の資金移動業型電子決済手段で、2025年8月に資金移動業者登録を取得。2025年10月27日に正式発行が始まりました。
JPYCの主な特徴はこちらです。
・1円から世界中に最短1秒・コスト1円以下で送信可能
・手数料無料(発行・償還ともに)
・Ethereum・Polygon・Avalanche・Kaiaに対応
・ノンカストディ型(資産を取引所に預けない)
JPYCはすでに様々な場面で使われ始めています。

・LINEアプリでの決済(LINE NEXTと協業)
・Bリーグ会場でのタッチ決済
・Visaカード(Nudgeカード)での買い物の支払い
・JCB・りそな加盟店での実証実験
・インバウンド向け免税還付への活用(2026年11月〜)

コンビニ・スポーツ観戦・クレジットカード払い
日常のあちこちでJPYCが使われ始めています
またJPYC株式会社代表の岡部典孝氏は、Xで積極的に最新情報を発信しています。
JPYSC(ジェイピーワイエスシー):日本初の信託型ステーブルコイン
JPYSCは、SBIホールディングスとシンガポールのグローバルフィンテック企業Startale Groupが共同開発し、SBI新生信託銀行が発行する、日本初の信託型円建てステーブルコインです。2026年6月24日にSBI VCトレードで取り扱いが開始されました。
JPYSCの主な特徴はこちらです。
・1JPYSC = 1円(ディペッグなし)
・信託型の安心設計(SBI新生信託銀行が発行)
・スプレッドなし
・送金金額・保有金額の上限なし
・取扱いはSBI VCトレードのみ(2026年6月時点)

信託銀行が発行体というのは、SBIグループならではの安心感があります
JPYCとJPYSCの違い:一番大事なのは「発行上限」
2つの円建てステーブルコインを比較する前に、まず最も重要な違いを理解しておきましょう。
それが「発行の仕組み(法的な枠組み)」です。
資金移動業型(JPYC):個人利用向け・1回100万円まで
これまでの日本円ステーブルコインは「資金移動業」という枠組みで発行されていました。JPYCもこの枠組みです。
この仕組みには1回あたりの発行額が100万円までという法的な制限があります。
資金移動業型のイメージ:
銀行のATMのように、1回の引き出し上限がある
→ 少額の送金・決済には十分
→ 企業の大口取引には向かない
信託型(JPYSC):法人利用向け・発行上限なし
JPYSCが採用する「信託型」は、信託銀行が利用者の資金を信託財産として発行体の財産とは完全に切り離して管理する仕組みです。
この仕組みでは発行や払い戻しに金額の上限が設定されていません。
信託型のイメージ:
銀行の金庫に預けた資産を
信託銀行が別管理する
→ 1億円・10億円規模の取引も可能
→ 法人・機関投資家向けに最適

100万円の制限があるかないかで、使える場面がまったく変わります
わかりやすくまとめると、こんなイメージです。

| JPYC | JPYSC | |
|---|---|---|
| 向いている利用者 | 個人・少額利用 | 法人・大口利用 |
| 1回の発行上限 | 100万円まで | 上限なし |
| 法的枠組み | 資金移動業型電子決済手段 | 信託型電子決済手段(第3号) |
| 発行体 | JPYC株式会社 | SBI新生信託銀行 |
| 取扱場所 | JPYC EX(専用プラットフォーム) | SBI VCトレード |
| パブリックチェーン流通 | 対応済み | 準備中 |
| 発行・償還手数料 | 無料 | スプレッドなし |

JPYCは「個人がLINEやVISAカードで使う日常の決済」、JPYSCは「企業が数億円規模の取引に使う業務決済」というイメージです
3メガバンクが共同でステーブルコイン発行へ

3行が協力してステーブルコインを作り、まず3行でスタートしてその後に他の金融機関も参加させていく計画です。
さらに大和証券・野村証券も加わった5社が、このステーブルコインを使って国債や株式などをブロックチェーン上で取引する実証実験も進めています。
つまりこういうこと:
メガバンク3行が
→ 共同でステーブルコインを発行
→ 証券会社も加わって国債・株式の取引に活用
→ 日本の金融インフラがブロックチェーンで動き始める

銀行も証券会社も動き出しました
日本の金融が本気でブロックチェーンに乗り出しています
日本の円建てステーブルコインが盛り上がっている理由
これだけ一気に動き出した背景には3つの理由があります。
2023年6月の改正資金決済法施行により、円建てステーブルコインの法的枠組みが整備されました。「何をしていいかわからない」という状態が解消されたことで、各社が一斉に動き始めました。
2025年7月にはアメリカでGENIUS法が成立し、ステーブルコインへの世界的な関心が高まりました。日本も遅れを取るまいと官民一体で動き出しています。
さらに2025年には銀行をはじめとする伝統的な金融機関が暗号資産に本格的に参入し、ステーブルコインの発行やカストディサービスなどが拡大しています。

法律が整備されてから動きが一気に加速しました
「制度が先、技術が後」という日本らしい展開です
まとめ
- 日本では円建てステーブルコインが急速に普及しつつある
- 円建てなら処理速度が速く・手数料ほぼゼロ・為替リスクなしで使える
- JPYCは日本初の資金移動業型電子決済手段・手数料無料・個人利用向け
- JPYSCはSBIグループが発行する信託型ステーブルコイン・発行上限なし・法人利用向け
- JPYCは1回100万円まで・JPYSCは上限なしという発行上限の違いが最大のポイント
- 3メガバンクは2026年度中に共同でステーブルコインを発行する方針
- 2023年の改正資金決済法・2025年の米GENIUS法成立が追い風になっている

日本の金融が変わろうとしています
ステーブルコインはその中心にいます



コメント