「Bitcoinが上がったから、まだ上がりそう」
「急落したから、もっと下がりそう」
価格だけを見ていると、どうしても起きた値動きを追いかけるだけになりがち。 でも本当に知りたいのは、その先。
この上昇はまだ続きそうなのか。急落によって売られすぎて、逆に反発しやすくなっていないか。
価格以外のデータを見ることで、「なぜ今この値動きが起きているのか」を考え、次の展開について仮説を立てることができます。
そこで把握しておきたいのが、
OI(Open Interest)
Funding Rate(資金調達率)
Liquidation(清算・強制ロスカット)
の3つです。価格だけでは見えない「価格変動の背景」を知るためのデータ、と考えると分かりやすいでしょう。
この3つを価格と組み合わせると、
価格 → OI → Funding Rate → Liquidation(清算・強制ロスカット)
という順番で相場の状態を確認し、次に起こりそうな展開を考えられるようになります。 まずは3つの指標の意味から見ていきましょう。
OIを見ると「ポジションが増えているか」が分かる
最初は、OI(Open Interest/未決済建玉)です。 簡単に言えば、先物やPerps市場に、まだ決済されず残っているポジションがどれくらいあるかを表した数字です。
なお、Perpsそのものがよく分からない方は、先に読んでおくと理解しやすいです。
👉 詳しくは「Perp(パープ)とは?Perp DEX(無期限先物)の仕組みを初心者向けにわかりやすく解説」
たとえばBTCのPerpsで、新しく1 BTC分の契約が成立すれば、OIは1 BTC増えます。反対に、すでに持っているポジションが決済されればOIは減ります。
「今、先物・Perps市場にポジションが積み上がっているのか。それとも減っているのか」
がOIから分かることです。
たとえば「BTC価格↑+OI↑」なら、価格上昇のなかで新しいポジションも増えています。
一方「BTC価格↑+OI↓」なら、価格は上昇しているのに既存ポジションは減っている状態です。
同じ「BTC上昇」でも、OIを見るだけでその上がり方が違うことが分かります。
これが相場を読む最初の一歩です。
※OIでは、1 BTCのロングとその反対側の1 BTCのショートを「2 BTC」と数えるのではなく、1 BTC分の契約として数えます。
ロングとショートは必ず同じ量。それなのに「ロングが溜まる」?
前提としてPerpsでは契約上、ロング↔ショートが必ず対応しています。
たとえばAさんが「BTCを今すぐ1 BTCロングしたい!」と成行注文を出したとします。その注文が成立するには、反対側で1 BTC分を売る人が必要です。
板に指値注文を置いているトレーダーやマーケットメーカーが、その反対側を引き受けることで契約が成立します。
つまり市場全体で見れば、ロングとショートの契約量は常に対応しています。 それなのに「今はロングが溜まっている」「ロングに偏っている」と表現することがあります。なぜでしょう。
契約量が同じことと、ロング・ショートの需要が同じことは別だからです。
BTCが上がりそうだと考える人が増えて、「多少高くてもいいから、今すぐロングしたい!」という注文が次々と入れば、買い側の圧力が強くなります。
反対側には同じ量のショートが存在しますが、積極的にポジションを取りにいっているのはロング側、という状況はあり得るわけです。
この「どちら側の需要が強いのか」を考えるヒントになるのが、次のFunding Rateです。
Funding Rateを見ると「どちら側が混雑しているか」が分かる
Perpsには満期がありません。そこで問題になるのが、Perps価格と現物価格のズレです。
たとえばBTC現物1,000万円に対してBTC Perpsが1,020万円になったとします。「BTCをロングしたい」という需要が強く、Perps価格が現物より高くなっている状態です。 この価格差を調整するために使われるのが、Funding Rate(資金調達率)です。
Fundingがプラスなら、基本的にロング側→ショート側へFundingを支払います。
ロングを持つのにコストがかかる一方、ショート側は受け取れる。
その結果、過熱している側を抑え、Perps価格を現物価格へ近づける力が働きます。
反対にショート側の需要が強ければ、Fundingがマイナスになることもあります。
ここで重要なのは、「Fundingがプラス=ロングの建玉量がショートより多い」ではないということです。契約上のロングとショートは対応しています。
Fundingから読み取りたいのは「量の差」ではなく「需要の偏り」です。
ざっくり言えば、Fundingが大きくプラスならロング需要が強く、ロング側が混雑している可能性。大きくマイナスならショート側が混雑している可能性、と考えます。 だから価格が上昇していてFundingもどんどん高くなっているなら、「上がっているけど、ロングが過熱していないか?」という次の疑問を持てるわけです。
Fundingだけでロング・ショートの過熱を断定はできません
が、「今どちらが混雑気味か」の目安にはなります。
Liquidation(清算・強制ロスカット)を見ると「どちら側が吹き飛ばされたか」が分かる
最後が、Liquidation(清算・強制ロスカット)です。
レバレッジ取引では、少ない証拠金で大きなポジションを持てます。その代わり、価格が大きく逆方向へ動いて証拠金が足りなくなると、ポジションが強制的に決済されます。これがLiquidation(清算・強制ロスカット)です。 証拠金や追証の仕組みを先に確認しておきたい方は、以下の記事も参考にしてください。
👉 詳しくは「証拠金・追証・ロスカットの意味をやさしく解説」
たとえばレバレッジロングが大量に積み上がっているところへBTCが急落すると、
BTC下落 → ロングが清算(強制ロスカット) → 強制的な売り → さらにBTC下落 → 次のロングも清算(強制ロスカット)
という連鎖が起こることがあります。いわゆるロングスクイーズです。反対に価格急騰でショートが次々と清算(強制ロスカット)されれば、買い戻しがさらに価格を押し上げるショートスクイーズが起こることもあります。
Liquidation(清算・強制ロスカット)を見ることで、実際にどちら側のポジションが吹き飛ばされたのかが見えてきます。
3つの指標を覚えると、相場の見え方が変わる
ここまでをかなり単純化すると、
OI→ポジションは増えている?減っている?
Funding Rate→ロングとショート、どちら側の需要が過熱している?
Liquidation(清算・強制ロスカット)→実際にどちら側が強制ロスカットされた?
です。大切なのは、これらを単独で見て売買を判断することではなく、価格と組み合わせることです。
同じBTCの上昇でも、「価格↑+OI↑」と「価格↑+OI↓+ショート大量清算(強制ロスカット)」では意味が違います。さらにFunding Rateを加えれば、「上昇している。でもレバレッジロングが過熱しているのでは?」と、その先まで考えられます。
価格 → OI → Funding Rate → Liquidation(清算・強制ロスカット)
と順番に見ることで、「上がった・下がった」という結果を見るだけではなく、「なぜ動いているのか」「次に何が起こりそうか」という仮説を立てる材料が増えるわけです。
では実際に、この4つをどう組み合わせればいいのか。後編では、価格とOIの4パターンにFunding RateとLiquidation(清算・強制ロスカット)まで加えて、相場の未来予想を組み立てる方法を考えてみます。


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