「世界で一番ビットコインを持っている国ってどこ?」
多くの人は「エルサルバドルかな?」と思うかもしれません。
しかし実際は、圧倒的1位はアメリカです。
しかも、その多くは国が投資目的で買ったものではなく、犯罪捜査で押収したビットコインという点が面白いところです。

国ごとに”ビットコインを持つ理由”が全然違うんです
国家がビットコインを保有する時代
CoinGeckoは13の政府による合計619,463BTCの保有状況を追跡しており、これはビットコインの総供給量の2.95%に相当します。
国家がビットコインを保有する背景には主に3つのパターンがあります。

国家がBTCを保有する3つのパターン:
① 犯罪捜査・押収
犯罪組織から没収したBTCをそのまま保有
② 国家主導のマイニング
電力を使ってBTCを採掘して蓄積
③ 戦略的な購入
国家準備資産として意図的に購入

「お金を印刷できる国」がビットコインを買う
これは暗号資産にとって大きな信頼の証です
国家BTC保有ランキング TOP10
| 順位 | 国名 | 保有量(概算) | 保有の背景 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アメリカ | 約329,693BTC | 犯罪押収・戦略的準備資産 |
| 2位 | 中国 | 約190,000BTC | 犯罪押収 |
| 3位 | イギリス | 約61,245BTC | 犯罪押収 |
| 4位 | 北朝鮮 | 約13,562BTC | ハッキングによる窃取 |
| 5位 | ブータン | 約10,769BTC | 国家主導マイニング |
| 6位 | エルサルバドル | 約7,474BTC | 法定通貨として毎日購入 |
| 7位 | UAE | 約6,333BTC | 戦略的保有 |
| 8位 | ベネズエラ | 約240BTC | 制裁回避・保有 |
| 9位 | フィンランド | 約90BTC | 犯罪押収(売却済み分あり) |
| 10位 | テキサス州 | 約57BTC | 州政府として戦略的購入 |
👉 出典:CoinGecko Government Bitcoin Treasuries(2026年7月時点)
※保有量は随時変動します。最新情報はCoinGeckoをご確認ください。
1位:アメリカ 約329,693BTC
「デジタル要塞」構想で国家資産に

圧倒的な1位はアメリカです。
意外ですが、このビットコインの多くは政府が市場で購入したものではありません。
主な保有源は、
- Silk Road事件
- Bitfinexハッキング事件
- 各種マネーロンダリング事件
などで押収したビットコインです。
さらにトランプ氏は米国を「暗号通貨の中心地(crypto capital of the planet)」とし、ビットコインを「恒久的な国家資産(permanent national asset)」とする方針を打ち出しました。
現在では約33万BTCを保有しており、世界最大の政府保有者となっています。
アメリカのBTC保有の特徴:
・主な保有理由:犯罪押収+戦略的準備資産
・「デジタル要塞」として国家管理を強化
・今後さらに購入を拡大する可能性がある
・世界のBTC総供給量の約1.57%を占める

世界一のBTC保有国だけど、”買った”というより”押収した”BTCがほとんどなんです
2位:中国 約190,000BTC
「公式には禁止しているのに大量保有」の矛盾

中国は2021年にビットコイン取引を全面禁止していますが、米中2大国が犯罪摘発で押収したビットコインを保有する例だけでなく、マイニング事業に参入して報酬を受け取る例もあります。
中国政府が保有する約190,000BTCは、主にシルクロードなどの犯罪組織から押収したものとされています。ただし一部はすでに売却済みとも言われており、実際の現在の保有量は不透明です。
中国のBTC保有の特徴:
・公式には暗号資産取引を禁止している
・しかし犯罪押収BTCを大量に保有
・実際の保有量は非公開・不透明
・売却されている可能性もある

「禁止しているのに持っている」という矛盾が面白い
国家の本音と建前が見える部分です
3位:イギリス 約61,245BTC
押収BTCを着実に蓄積
イギリスも犯罪捜査を通じて大量のBTCを押収・保有しています。オンチェーン分析のArkham Intelligenceによる追跡データで確認されており、国家管理ウォレットに保管されています。
4位:北朝鮮 約13,562BTC
「ハッキング大国」が暗号資産で制裁を突破

北朝鮮のBTC保有は、他の国とは全く異なる背景があります。国際的な経済制裁により外貨収入が制限される中、ラザルスグループなどのハッカー集団が世界中の取引所や企業をハッキングして暗号資産を窃取し、それを国家資金として活用していると報告されています。
北朝鮮のBTC保有の特徴:
・ハッキングによる窃取が主な手段
・ラザルスグループなど国家支援のハッカーが関与
・経済制裁をビットコインで回避
・国際的な安全保障上の懸念事項

「盗んだBTCを国家運営に使う」という衝撃的な実態
だからこそセキュリティの重要性が高いんです
5位:ブータン 約10,769BTC
水力発電でBTCを採掘するヒマラヤの小国
ブータンは人口約75万人のヒマラヤの小国ですが、国家によるビットコイン保有では世界トップ5に入っています。
ブータンのビットコインマイニングは2019年4月に始まり、当時の暗号資産価格は約5,000ドルだった。国の投資部門であるドゥルク・ホールディングス・アンド・インベストメンツがビットコインのマイニングを行ってきた。
豊富な水力発電を低コストのエネルギーとして活用し、カーボンニュートラルなマイニングを実現しています。
ブータンのBTC保有の特徴:
・2019年4月からマイニング開始
・国の電力インフラ(水力発電)を活用
・カーボンニュートラルなマイニング
・GDPの数十%に相当する規模を保有

水力発電でビットコインを採掘する小国
資源を賢く使うブータンのアプローチは独創的で興味深いです
6位:エルサルバドル 約7,474BTC
毎日1BTCを買い続ける「ビットコイン国家」

エルサルバドルは「毎日1BTCを購入する」という方針を現在も維持しており、短期的な価格変動にとらわれず、定期的に一定額を買い続けています。政府はこれらの仮想通貨を、短期的な取引目的ではなく、長期的な戦略的準備金として位置付けています。
2021年に世界初のビットコイン法定通貨採用国として話題になりました。保有量は約7,474BTCに達しており、含み益を抱えた状態が続いています。
エルサルバドルのBTC保有の特徴:
・世界初のビットコイン法定通貨採用国(2021年)
・毎日1BTCを購入し続ける戦略
・保有量:約7,474BTC(約478億円相当)
・国営ビットコイン銀行の設立も計画中

「毎日1BTC積立」を国家でやっている
個人投資家の積立戦略と同じ発想を国がやっているのが面白い
7位:UAE(アラブ首長国連邦) 約6,333BTC
中東のBTC戦略
UAE(ドバイを含む)はビットコインに友好的な規制環境を整備しており、2025年以降は政府系機関によるBTC保有が確認されています。Arkham Intelligenceのデータにより国家保有ウォレットが特定されています。中東の産油国が暗号資産を戦略的資産として取り込む動きの象徴です。
注目:ドイツはなぜランキングに入らない?
かつてはドイツも大量のBTCを保有していましたが、2024年に約50,000BTCを全て売却しました。売却のタイミングが価格上昇前だったため、多くの批判を受けました。現在の保有量は0です。

「もう少し待てばよかった」という後悔はドイツ政府も感じているはず
タイミングは誰にも分かりません
国家BTC保有が市場に与える影響
国家がBTCを保有することで、市場にはプラスとマイナス両方の影響があります。

プラスの影響:
・「国が認めた資産」という信頼感の向上
・大量の供給が市場から吸収される
・他国も追随して購入する可能性がある
マイナスの影響:
・犯罪押収BTCが大量売却されると価格急落リスク
(ドイツの2024年売却が好例)
・北朝鮮の保有はセキュリティ懸念につながる

国家がBTCを保有するのは、ビットコインにとって「公式認定」のようなものです
ただし売却された時の影響も大きい
まとめ
- 13の政府による合計619,463BTCの保有が確認されており、ビットコインの総供給量の2.95%に相当します。
- 1位はアメリカ(約329,693BTC)・「デジタル要塞」構想で国家資産に位置づけ
- 2位は中国(約190,000BTC)・公式禁止しているのに犯罪押収で大量保有という矛盾
- 3位はイギリス(約61,245BTC)・犯罪押収で着実に蓄積
- 4位は北朝鮮(約13,562BTC)・ハッキングによる窃取が主な保有手段
- 5位はブータン(約10,769BTC)・水力発電を活用した国家マイニング
- 6位はエルサルバドル(約7,474BTC)・世界初の法定通貨採用国・毎日1BTCを購入継続
- ドイツは2024年に全量売却・タイミングの難しさを示した事例

国家がビットコインを持つ理由はそれぞれ違います
「押収」「マイニング」「戦略的購入」。どのパターンも市場への影響は大きいです



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